今度の日曜日(2月9日;日本時間は10日)
にいよいよ今年2020年の
アカデミー賞大賞が発表されますね。
今年の話題は、なんと言っても韓国映画
『パラサイト半地下の家族』が大賞をもらえるかどうか。
もし、受賞すればアジア映画として、初めての
快挙になるらしいです。
この『パラサイト半地下の家族』は
去年6月のカンヌ国際映画祭では、すでに最高賞の
「パルムドール」を受賞して、とても話題になりました。
なので、その時の勢いで今度のアカデミー賞大賞をとったりすると
とんでもないことになりそうですね。
なぜ、こんなに注目され、評価されるのか?
この映画は、韓国の「格差問題」「格差社会」を
描いたけど、この「格差問題」は 今では全世界的な話題に
なっている。
つまり、アジアのみならず、アメリカ、ヨーロッパ社会でも
もう無視できなくなるほど、「格差」が大きな問題、関心ごとに
なってきたからなんですね。
韓国のある街。
片方の極=貧困に生活する兄妹が
対極の豪邸に巧みに寄生して(パラサイトして)、
ハラハラ ドキドキさせるシーンが連続して、
見る者をアキさせない、いや、次から次へと
予想を裏切る展開が 面白いので一気に注目されました。
じゃあ、サスペンスかというと 最後は「家族愛」
まで出てくる、というサービスもある。
その展開に観客は 知らず知らずのうちに
巻き込まれていく・・・。
そこにこの映画の魅力があるようです。
パラサイト半地下の家族とはどんな映画?
監督はポン・ジュノ氏。
原作・脚本もポン・ジュノ監督のオリジナル。
ポン・ジュン氏は、
*作品賞
*監督賞
*脚本賞
*美術賞
*編集賞
*國際長編映画賞
の6部門にノミネートされています。
なぜ、キム一家の4人家族が半地下住宅に生活するように
なったかというと、父親がチキン店を開業したが
うまくいかず失敗して、一家は貧乏の象徴の半地下の住宅に
住むことになった。
長男のギウが IT業界で成功した裕福な家の家庭教師に
なり、さらに、妹ギジョンも美術の家庭教師として
この豪邸に出入りするようになった。
そして、この家庭にたかるような、寄生虫みたいな
パラサイト生活がはじまったのです。
そこから 予想外の展開が!
ポン・ジュノ監督ってどんな人?
2017年に「オクジャ/okja」を世に出して、とても評価を
受けました。
でも、この作品はネットフリックス製作、ネット配信映画だったので
映画館業界からは当然「映画館で上映しないなんて」と批判をうけ、
アカデミー賞候補にはならなかったいきさつがあるそうです。
ポン・ジュの監督は、学生時代に金持ちの家で
アルバイトをしたことがあるそうで、その体験が
この映画に強く影響をあたえているようです。
また、彼は、
かつて、韓国の右派政権のときには、作風が
反権力的とみなされ、国家情報院(CIAなようなところ?)
から目をつけられたけど、反骨精神旺盛な監督
だったようです。
けっこう激しい格差表現があるのは、監督の社会に対する
憤りを現したいからだと思いますね。
映画の作りエピソード
裕福な生活家庭と貧困家庭との経済格差を対照的に
描くために、映画のセットも二つの住宅地を
作って表現したみたいですね。